2010年07月26日

学資保険は万能か?

「学資保険」という保険があります。

お子様がいらっしゃるご家庭では、加入されている方も多いと思います。

貯蓄性の高い保険で、毎月一定額を積立感覚で支払っていくと、お子様がある一定の年齢に達したときに、満期保険金が受け取れ、これをお子様の学資に充てて下さいというものです。
保険金が受け取れるのは、一般的には高額な資金が必要となる大学入学にあわせて、「お子様が18歳に達したとき」のことが多いですが、中学入学や高校入学時にも一時金が受け取れるタイプのものもあります。

普通に預金等を積み立てるのと何が違うかというと、一家の大黒柱である契約者(保険金を払う人)に万一のことがあった場合、以降の保険料は免除されますが、そうなっても中途あるいは満期の保険金は、満額が支払われるということです。

ただ、学資保険とは言っても、別に満期金の用途が学資に制限されるわけではありません。
実は、「養老保険」という保険の変化形です。
普通、養老保険では、10年間など年数で期間を定めたり、ご自身の年齢で期間を定めたりするのですが、学資保険ではお子様の年齢で、期間を定めます。
学資保険と養老保険は、本質的な違いはありません。

だけど、「学資保険」と名付けるだけで、「お子様のことを思った保険」という「意図」が前面に出され、いかにも「加入しよう」という気にさせられるのですよね。

学資保険(あるいは養老保険)は、掛け捨ての保険ではありません。
万一のことがなかった場合、基本的には、ご自身で支払われた保険料のほぼ全額(あるいはそれより若干多く)の保険金を受け取れます。
逆の言い方をすると、何百万円という保険金を受け取るためには、何百万円という保険料を支払うということでもあります。

ですが、契約者にメリットの大きい保険であるばかりでなく、
保険会社や代理店にとっても大きなメリットのある保険なので、「売る」側としても売りたい保険という側面もあります。


では、学資保険は万能なのでしょうか?
学資保険にさえ入っていれば安心なのでしょうか?

その答えは、養老保険に置き換えてみると見えてくる気がします。

つまり、養老保険が万能なら、きっとほぼ全ての皆さまが加入されていることでしょう。
ですが、現実は違います。
それは、なぜか?

おそらく、満期にならないと使えないから、ではないでしょうか?
例えば、何かの事情でまとまった資金が必要になったとか、
例えば、大きな買いものをしたいとか、
そういったときには、養老保険は使いにくいのです。

そのためには、何にでも使える預貯金などの方が使い勝手がよいのです。

もちろん、解約すれば、解約返戻金という形で、お金は戻ってくるのですが、そうすると保険契約はそこで終了してしまいます。


話を学資保険に戻しても同じことがいえます。

つまり、学資保険は、
お子様のために、何か大きな出費が必要になったりした場合でも、
その積み立てた保険金を解約して使うことは、心理的になかなかしにくいのです。

まして、お子様のためではなく、ご家族のために何か大きな資金が必要となったときには、一種の聖域である学資保険を解約するという行為は、非常にためらわれるでしょう。

このように「満期時以外には使いにくい」ということが、学資保険のデメリットと言えます。
もちろん、逆の面から見れば、使ってしまわないように、あえて使いにくくすることがメリットだと言えますし、その考えを否定するつもりはありません。

ただ、どんなものにも、メリットがあればデメリットもあるのです。


そういった意味からも、いつでも何にでも使える預貯金は、とても大切だ、と私は考えています。

学資保険が無意味だとは思っていませんが、学資保険にさえ入っていれば安心だという幻想は、抱かない方が良いのではないでしょうか?

お子様のため、ご家族のために、お金が必要になるのは、学資保険が満期になったときだけとは限らないと思いませんか?
「保険」なので万一の時も安心、と思われるかもしれませんが、
保険料の払込が不要になるのは、契約者(お金を払う人)が不幸にも亡くなったときだけです。
ですが、想定すべき「万一の時」とは、大黒柱が不幸にも亡くなられたときだけですか?


お子様の将来はもちろん大切ですが、日常の幸せな生活こそが、何より大切だと思います。
それはお子様の将来ためにもなるでしょう。

学資保険は「保険貧乏」の原因になりがちな保険の1つです。
加入にあたっては、貯蓄とのバランスをよく考えて、冷静に検討されることをオススメします。

保険の営業の方や、代理店の方は、なかなかデメリットは教えてくれないことの方が多いのが現実です。
ですから、デメリットは自分で考えないといけません。

保険は、何百万円という、大きな大きな買いものなのです。
営業の方に任せっきりにしないで、ちきんと考えましょう。






posted by nano at 14:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 保険 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
nanoさん、こんばんは。
ブログを開設されたのですね。今日知りました。
某掲示板、またソニー銀行サイトにていつも参考にさせていただいてます。
つい先日諸事情のため学資保険に加入できなかったので、なんか励みになる記事でした。
今後とも質の高い情報を、心待ちにしております。
Posted by manya at 2010年07月27日 20:39
manyaさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

保険は、多くの人が入りすぎかなという気がしています。
入らなければいけないというものではありませんから、気落ちせず、むしろ「その分だけ貯金できる」と前向きに考えて、頑張って貯蓄に励みましょう。

このブログは、ソニー銀行の住宅ローンに限らずに、
住宅ローンの一般論や、保険、投資など、
色々な側面から書いていこうと思っています。

あとはFPとは関係なく、日常の何気ない1コマを書いていこうかなと。

某掲示板やソニー銀行のサイト同様、このブログも時々見に来て頂ければ幸いです。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by nano at 2010年07月28日 02:09
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